生活保護利用者の過半数が高齢者!

病気回復後の行き先を求めて・・・


7月7日の新聞記事で、今年4月の生活保護利用世帯は約163万世帯で、その半数強が高齢世帯であることが5日までに、厚生労働省の調査でわかったとの記事をみました。

生活保護利用世帯の55%で89万5247世帯が高齢世帯です。

この6年間で1.26倍に増加しているとのことです。
高齢者の生活の苦しみが目に浮かびます。

私たちの権利擁護支援の利用者の中にも「貧困」で苦しんでおられる方があります。

83歳で民間アパート生活に独り暮らしのAさんは、生活保護を利用していた今年5月腹水がたまって緊急入院しました。
医師の説明では、原因は卵巣腫瘍による腹膜炎との診断で大腸の検査は高齢のため除外したとのこと。
Aさんは病気入院前も、「食事の管理ができない」「ガスは危険性を排除するため使用停止」といった生活をしていました。
また、アパートには冷暖房設備もなく、夏を迎える前に熱中症の危険があり、介護事業所のヘルパーさんたちが心配して「施設入所」を勧めていた矢先のことでした。

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一般的には緊急入院した後は、1~3週間で一般病床か回復期リハビリテーション病棟への転院が検討されるのですが、Aさんは延命治療も希望せず、特別な医療行為もしないという選択をされました。

生活保護受給者の施設探しは困難なケースが多く、退院後の施設探しが難航したもののやっと受け入れの施設が決まり、アパートの片付けや大家さんとの手続き等を支援することになりました。

しかし、Aさんには資金が全くありません。

施設入所にともなう「施設入居金10万円」とアパートの片付け費用約10万円など必要経費はどうなるのか?誰が準備するのか?が大問題です。
役所と事前の打合せを行い、施設入居金は「住宅扶助」の実費扱いの敷金として拠出。
アパートの片付け費用も「一時扶助」の特別基準を適用して家財処分料を出してもらう手続きをしました。
病院を訪問し、ご本人から「一人暮らしが困難で老人ホーム入所を希望すること」、「家財処分に異議を述べない」との異動届出書を書いていただきました。

これで退院後の行き先が決まり、ほっとしています。

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生活保護利用者の方の支援は困難を極めます。
親族は疎遠か、拒否となり、誰も近くによってきません。

それが現実です。

「病気になっても行き先がない」「このまま死んだ方がましだ」と口にする方が出てきます。
社会の為に働き続けてきた多くの高齢者が最期に口にする言葉は、この国の社会保障制度の貧弱化を表しています。

私たちは高齢者がこんな気持ちにならない社会、「生きていて良かった」と言える社会をつくりたいと思います。

理事 立木勝義
(「終活」コ―ディネータ―)


https://yui-station.org/

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