一人暮らしの高齢者の急死に想う
体調を崩したり、室内で転倒するなど思わぬ病気や事故に遭遇すると救急車で搬送される病院は、一般的に「急性期病院」といいます。
この急性期の病院は「入院時から、退院を見こした治療計画をたてる」と聞きました。
その結果、平均の入院期間は平成5年/22.9日から平成20年/13.0日と短縮されています。(名古屋市民後見人養成研修の資料より)
これは「クリティカルパス」といわれ、治療や看護の手順を標準化し、診療の質の向上と効率化を図り医療費の削減につなげるという患者をベルトコンベアに載せる如く的確に治療する工程の名称だそうです。
要は医療制度の改悪ですよね。

一人暮らしで会社の寮生活を続けていた72歳男性は、昨年11月から大腸がんを発症し入院していました。
2ケ月が経過し急性期病院から回復期病院または治療継続の一般型病院への転院をすすめたいとの病院側の意向で身元保証人を探していました。
15日に初めて面会。
他の身元保証等高齢者サポート事業の団体の説明を受けており、当法人が2つ目の事業説明でした。病室に伺うと「ガンの末期」とのことで顔色も良くなく、ポイントだけ説明しました。
その後当法人を身元保証団体として選択されたとの連絡を受け、17日身元保証業務提供契約を締結しました。
ご本人の金銭管理は勤め先がおこなっているとのこと。
土曜日に時間をとって会社を訪問し、契約への経過と病状などを説明してご協力をお願いしました。
ところがご本人の病状は急変しその土曜日の午後に他界されました。
親族とも疎遠となっており音信不通、預貯金もなく葬儀の費用等一切準備できません。
当法人としても契約金なしでは何もお手伝いできません。
こんな場合はどうするのか?
ご本人が住んでいる役所と相談するしかないのです。
行旅死亡人扱いの措置をお願いするように病院のケースワーカーや看護師と打合せをして対応しました。
人間の最期を見送る辛さを味わった1週間です。
理事・立木勝義
https://yui-station.org/
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