日常の買い物ができず、困った!
「2年前に新車を購入したばかり」「買い物ができなくなる」と自動車を手放せない理由を挙げて周囲の心配を重ねていた利用者さん。
先週の介護認定の区分変更の調査に立ち会うと「やっぱり運転は無理かな」とポツリと言われました。
当年とって88歳になる利用者さん。
視力検査で2メートル先の大きな字がはっきり見えなくなっていたのでした。
ご自分の身体能力を自覚されたようです。
この利用者さんは今年1月に大腿骨を骨折して入院、現在はリハビリに挑戦して5月末までには退院。
ひとり暮らしを再開する気持ちでしたが、少し気持ちが萎えた感じがしました。

社員食堂で働いてきた歴史があり、食にこだわって生きてきた方です。
『冷凍物はまっぴらだ!』の信念で1週間に一度の食材の仕入れが楽しみだったのです。
周りからは「もう年だから運転は出来ないよ」と言われ続けてきました。
やっと、自覚の上で運転免許証の自主返納を決めようとしておられます。
利用者さんの住む団地は昭和の40年代、近くにスーパーもありお寿司屋さんもあった地域です。
いまでは店は一つもありません。
バスなど公共交通もなく「自動車がないと何もできない」という買物難民の住む限界部落という状態の地域です。
地域社会で住み続けたいと思っても交通手段もなく、病院などの公共的なサービスも十分に受けられなくなり、孤独と孤立が進んでしまうようです。
今、全国で自治体の議員の選挙がおこなわれています。
身近な議員を選ぶ選挙ですが…。
「困っている方の手助けをする自治体」「社会保障や福祉の充実のために働く議員」はどれだけいるのかな?と考えさせられます。
現在、利用者さんの希望が実現でき、ひとり暮らしを安全に続けられるよう皆で考えています。
自宅のバリアフリー化の工事、介護サービスの活用で見守りと入浴、洗濯ができるようにする。
また、買物ができない場合は「生協の食材の配達」を検討。
移動は電動カート(シニアカー)をリースして近くの外出を楽しむ計画です。

やっと運転免許証の自主返納を決めた利用者さんを支えるのが私たち権利擁護団体の仕事と自覚して…
理事・立木勝義
(「終活」コ―ディネータ―)
(「終活」コ―ディネータ―)
https://yui-station.org/
この記事へのコメント