施設入所を勧める辛さが…
『見積もり金額53万円。ただし、門扉交換(両開き片引き扉)金25万円は別途必要。』
こんな見積書が届きました。

先週に自動車免許証を自主返納して、不便がともなっても自宅での独居生活の心構えを固めた利用者さん(以下、Aさんという)に、自宅のバリアフリー化工事の費用提示がありました。
この金額は年金生活の高齢者にはきついものです。
そのうえにお金だけの問題でなく、「Aさんは視力が落ちて電動カートの貸し出しが出来ない」との介護専門員からの連絡があったのです。
19日金曜日の午後、病室で費用の概要などを説明する私の気持ちは落ち込んでいました。
例え自宅に帰れても、自由な外出はできず食事やトイレも十分できない環境でよいのかどうか。
そんな生活のためにバリアフリー化工事は必要なのかどうか。
家の維持管理には結構な費用が伴い、固定資産税等もばかになりません。
住み替え感覚で自立型の自由度の高い施設に移ることも検討してみてはと提案しているのです。

Aさんにとって何が幸せでどういう形なら心身、経済ともにバランスを保てるか。
入院中にじっくり考えてもらうことにしました。
「在宅の限界点」をどこにおくのか。
目安として要介護2以上で、一人でトイレに行けるかどうかと提案する意見があることを念頭に…。
親族等は親や兄弟を施設へ入れることへの葛藤やためらい、罪悪感に折り合いをつけるのも容易ではありません。
しかし、ご本人の身体能力や認知機能の衰えに合わせ、事前の施設見学などで納得と同意のもとに入居をすすめいていくことが、より重要になっています。
最期をどこで迎えたいか?の質問で54.6%の人は自宅を選択しています。(2012年度調査)
その次に多い回答は27.7%の病院です。
施設は4.5%にすぎません。
簡単に「老人ホーム」に入所しましょう!とはいえない辛さを味わっています。
理事・立木勝義
(「終活」コ―ディネータ―)
(「終活」コ―ディネータ―)
https://yui-station.org/
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