生活保護利用者のあっけない死に直面

心こめた見送りをしてあげたい…


台風19号の通過に伴って関東方面を中心に多くの被災者が出ています。
心よりお見舞い申し上げます。
一日も早い日常生活を取り戻されることをお祈りいたします。

その台風19号が通過した13日深夜(3連休の真ん中)、施設から「利用者のAさんの呼吸が弱っています」との連絡がありました。
Aさんとはこの7月末に病院から施設入所にあたって身元保証委任契約を締結したばかりでした。
入所と同時に「生活保護申請」の手続きをおこない受理されて安心していたのですが…。

Aさんは70代前半、結婚歴はなく2人兄弟の二男として生まれ、陸上自衛隊に入隊。
辞めた後は実家の仕事を継ぎ、名古屋市内で働いていました。
病気がちになったAさんは、加齢による腰部脊柱管狭窄症で足にシビレが出て寝起きができなくなっていました。
最近も過去の借金の精算の手続きを弁護士に依頼した件で報告をしたばかりでした。

先週から「食べ物が入らず、点滴で栄養補給をしています」と看護師さんから聞いていて、心配をしていたところでした。
昔の話もお聞きすることもなく、たったの3ケ月でのお別れでした。
少しでもAさんの気持ちに寄り添って終焉支援のお手伝いを行いました。

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生活保護利用者の方の葬送支援は行政との連携が前提となります。
休日の役所はお休みで「日直」の職員が居るだけです。
役所の方と緊急の連絡をとって、ご遺体の搬送先を依頼されて手配するなど手続きの支援を行うことができました。
身寄りのないAさんの葬儀は役所の責任となります。

役所は「Aさんの親族探し」を行ってからの葬送支援となります。
ご遺体は結論が出るまで葬儀会館の霊安室で待つことになります。
心をこめた見送りがしたいのですが、葬儀がいつになるか不明です。

私たちは残務整理を手伝うことになり、入所時の衣類などの片付けもこれからです。
この整理費用も本人負担となります。

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生前であれば役所の「現物支給」に頼ることが可能なのですが…。
預貯金がほとんどない状態のAさん、施設代や当法人の支援料などの支払いはこれからです。
今日は15日、少しばかりの年金に頼るしかありません。

理事・立木勝義
(「終活」コーディネーター)

https://yui-station.org/

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