親のおカネを頼る子どもたち…
9月に入り親のおカネを頼る子どもから逃げる親たちの権利擁護支援が増えています。
利用者さん(以下、Aさん・80代女性)は長男と長女の3人暮らしでした。
この家族は長男(50代)、長女(50代)とも仕事がなく生活保護を受給していました。
Aさんが脳梗塞を発症して「寝たきり状態」になっても、長男は「世話は妹に任せている」と介護放棄の状態。
その反面、生活保護費が支給されると一人占めしてAさんにも渡さないという金銭虐待の状態でした。
借家は「ゴミ屋敷状態」で、母親の通院の手伝いもせず風呂にも入れないという状態でした。
地域包括支援センターなどが介入してAさんはやっと特別養護老人ホームに入所できました。
この入所に際し、身元保証の依頼を受け契約することになったものです。
Aさんには少しの年金があります。
この年金も子どもたちに狙われるため、施設入所と同時に住所変更と銀行預金口座の新規開設を手続きして、10月の年金が確実にAさんの手元に届くように支援しました。
今後はAさんにとって穏やかな日々を送れるようにと思います。

親子の孤立化も深刻です。
Bさん(80歳・女性)は50歳になる娘さんと生活していました。
この娘さんは夫を交通事故で亡くしてから精神状態が不安定となり統合失調症と診断されていました。
そのため多額な損害保証金も管理できずにいました。
Bさんが腰痛で入院して病院代、部屋の電気代なども支払いができず支援が求められる状態となりました。
関係者会議を招集していただき、母親の施設入所と娘さんの「後見申立」を勧めることになりました。
病院で「後見人」の選任を待つ娘さんと身元保証委任契約を締結した母親の支援が始まった事例です。
「80」代の親が「50」代の子どもの生活を支えるという「8050問題」。
その背景に子どもの「ひきこもり」があるといわれています。
親子の孤立化、普通の生活が立ちいかなくなる深刻なケースが目立ちはじめていると痛感する毎日です。
代表理事 立木 勝義
(「終活」コーディネーター)
(「終活」コーディネーター)
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