終活準備、「通帳と印鑑」の管理が重要

通帳の再発行で時間と手間が…


もう春ですね。
桜の便りが届くこの時期は、のんびりと「つくし採り」に行きたいです。
残念ですが、のんびりできないのが権利擁護団体の仕事です。

今年に入って利用者さんの物忘れが多くなり、預金通帳や印鑑を紛失する事例が増えています。
Aさん(81歳・女性)は、夫と2人暮らしでしたが要介護4で自宅での生活が困難となり、施設入所しました。
預金通帳は夫が管理していますが、Aさんには別の預金が存在しているとのことで手続き支援を行うことになりました。
しかし、Aさんは認知症があり判断力が低下、その存在すら覚えていません。

銀行の窓口に行くと「ご本人同席の上、本人確認の書類の提示」が必要とのこと。
また、「本人の署名」も必要とのこと。
高齢の方の「本人確認書類」(普通は「自動車免許証」など写真添付の書類)は、介護保険証と医療保険証の提示が求められます。

また、生活保護受給者の方は医療保険証がないため、役所から「受給者証明書」を出してもらう必要があります。

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Bさん(89歳・男性)の例は「通帳の再発行と改印」の手続きができた事例です。

ご本人を車椅子で銀行まで付き添い、窓口で必要な書類に「本人署名」する際にお手伝いしました。
Bさんは脳梗塞を患い右手の力がなく「手を添えての署名」ができたため、銀行の手続きができました。
それでも問題があります。

銀行は受け付けた書類の通知を住所地に送達します。
その送達された通知書を持参して「通帳と改印」の手続きが始まるというのです。
しかし、今回は施設入所中です。
「特別な事情」を考慮し、書類を施設に送っていただくことになり、問題が解決しました。

Cさん(83歳・女性)は、昨年末に自宅マンション前で転倒しているところを発見され、警察、地域包括支援センターや介護施設の相談員のお世話になり、病院に入院しました。
面会した時には記憶がなく契約能力もない状態でした。
しかし、病院側から「身元保証」を依頼され、前提として行政の責任で後見申立をおこなうこととし受託しました。
その後、Cさん宅で通帳と印鑑を発見、当面の緊急処置として病院代等の支払い代行を行っています。
一日も早く後見人が選任されることを期待しています。

この際、私自身の「終活準備」として預金通帳と印鑑の一致を整理せねばと痛感しました。
と申しますのは、預金通帳が4冊あり、それぞれの印鑑が特定できない状態になっているのです。

今月中に整理をしたいと思っています。

代表理事 立木 勝義
 (終活コーディネーター)

https://yui-station.org/

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