ご本人(以下、Bさんという)の希望は「電気代や家賃を払って欲しい」との強い要望が出ていました。
しかし、Bさんは軽度の意識障害があり契約能力に不安がありました。
当法人との契約も地域包括支援センターの相談員や病院の地域医療連携室MSW(メディカルソーシャルワーカー)の協力と連携で意思確認がやっとできた方でした。
末期のガンを発症しており、余命1、2ケ月ほどとの情報を受けて支援が始まりました。
10月21日(木) 契約説明。
10月25日(月) 救急病院のA病院から療養型のC病院へ転院支援。
11月4日 (木) Bさん宅の室内整理に地域包括の方が協力してくれる。
同日 アパートの管理人へ家賃支払。明け渡しの確認。仏壇と位牌をお預かり。
11月7日(日) 午前C病院から「Bさんの心肺が停止」との連絡が入る。
午後1時過ぎ緊急駆けつけして、看とりと死亡確認となる。
契約後たったの2週間での出来事です。

Bさんは一人暮らしで親族関係も不明。
預貯金も病院代と家賃でほとんど消えてしまいます。
とても葬儀費用は捻出できない方でした。
万が一の支援はA病院の地域医療連携室から役所の総務課預かりの事案として引き継いだので、早速休日にも関わらず役所へ連絡を取り、葬儀手配の準備を手伝うことになりました。
葬儀社の到着を待って「死亡診断書」を手渡し、葬儀会社の車を見送る。

私の手にはBさんが最後まで手元に置いていた小さなポーチが一つあるだけです。
中身は医療保険証と小銭。
子どもさんの写真が一枚入っていました。
なんと寂しい終末なのかと思いました。
Bさんが契約の時、にっこり笑顔で「お願いします。○○です。」と言われたことが耳に残ります。
代表理事 立木 勝義
(終活コーディネーター)
(終活コーディネーター)
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