無縁仏に囲まれて…

わが法人事務所には数件の亡くなった利用者さんのご遺骨が「安置」されています。
親族が居ても引き取りを拒否された方ばかりのもので、年内にお寺さんへ納骨手続きを行う予定です。

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11月30日は「いい看取り」の日だそうです。
皆さんご存知でしたか?
2018年に厚生労働省が定めた「人生会議の日」だったのです。
社会の方の認知度は3.3%でほとんど知られていないのが現状です。
「人生会議」とは最期まで自分らしくあるために、終末期に受けたいケアや医療を、家族などと事前に話し合っておく取り組みです。(中日新聞・2021年12月3日付)

利用者Aさんは離婚した後ひとり暮らし最期は施設で亡くなりました。
親族も見舞いに来ておられたのですが「人生会議」は有りませんでした。

利用者Bさんはずっとひとり暮らしでした。
兄弟とも疎遠で「最期はどうしたいのか。何も決めず」に亡くなりました。
利用者さんの死後に相続人に連絡をおこなっても「ご遺骨」の受取を拒否された事例や、葬儀には参列してもご遺骨は受け取らずにお帰りになる親族などケースはまちまちです。
わが法人として、わずかばかりの残りのお金で見送ってあげたいと思っています。

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全国で1700万世帯が単身世帯との報道もあります。
「人生会議の日」も社会に浸透せず、老々介護や子の断絶、孤独死の増大は社会問題です。
家族がいてもいなくても自分の最期のために耳を傾けてくれる支援者が必要です。
病院や介護施設でもそれぞれの立場から「終末医療に臨むこと」を聞き出しておくことが大切と思う年末です。
「自生の最期」の話は中々難しいのですが、利用者さんにできる限り寄り添って真剣にお聞きする。
そんな法人に育っていくように努力します。

代表理事 立木 勝義
(終活コーディネーター)

https://yui-station.org/

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