終活は「自己判断できる」時に

6月はじめ、「余命2ケ月の方の支援」をおねがいしたいと介護事業所のケアマネからの依頼がありました。

利用者Bさんは年齢も若く、2021年の健康診断で神経内分泌がんと診断、9月に病院で食道がんの全摘手術。
その後がんの転移により、仕事は求職中となる。
Bさんのがんの性質は悪性のため増殖速度が早く、日に日に体重が減少し握力も低下し、書類への書き込みもできず、諸手続きが思うにならなくなったため、急遽支援の希望がなされた事例です。

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自動車の処分、趣味のCDやレコードの転売手配、部屋の引き上げ、預金口座の集約、会社への退職届けと中小企業共済の退職金請求、葬儀の希望など、すべてご自分の判断で指示をいただきました。

親族とも連絡が取り合える関係でスムーズな支援が続けられています。

先日お会いすると「お盆まで生きられないかもしれない」と言われ、後始末をよろしくと再度のご希望をだされました。
私は、「承知しました」とご返事するだけでした。
Bさんのようにご自分の判断ができるうちに、自己決断をされる姿に感銘を受けているのですが、一方で真逆の終活を迎える方も多くおられます。

2年前から相談に乗っている方の事例です。

Cさん(90代・男性)は2年前に当法人と契約し、施設入所に向けた支援や任意後見契約の弁護士手配など支援の途中に「解約」となった事例です。
最近になって「施設入所」となり親族が身元保証人となっていたのに、「喧嘩別れ」となり、再度当法人に依頼がありました。
Cさんは自己の非を認めず、周囲の方とトラブルになっています。
自己判断が不安定になっていることを認識して欲しい方ですが…。
ご兄弟からも「なんとかご協力を」との希望もあり、前向きに検討をしている事例です。
ご自分の判断力の低下を自覚できない方の支援はなかなか難しいのです。

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Dさん(80代・女性)は、ひとり暮らしが不安で施設入所を勧め入所の準備になっても、「暑いうちは動かない。施設にはいかない」「病院に入るのですか?」「私、どこも悪くない」等と言う始末です。
自分はひとりでしっかり生きてきたので大丈夫と言いながら『夜になると一人は寂しい、死んだ方がいい』といい。
自己の置かれた位置が認識できずに周りの親族や地域包括、施設関係者など困っている状態です。

来週の入所はうまくいくのでしょうか、今から不安です。

代表理事 立木 勝義
(終活コーディネーター)


https://yui-station.org/

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